歯科医師の責任感
歯科医院において患者の口腔内に直接触れても良いのは歯科医師と歯科衛生士のみであることが原則です。
当然ながら歯科衛生士資格を持たない『優秀な歯科助手』も多く存在し、院内研修や勉強会を経て、歯科医院には欠かせない重要なスタッフとして重宝されます。
歯科助手の業務範囲は、治療器具の準備や受け渡し、器具の消毒、受付などの業務が主であり、患者の口腔内に触れたり、歯科技工物を調整するなど治療に関わる行為は禁止されています。
患者に全く触れずに業務を行うことは難しいかもしれませんが、この問題は『資格』と『能力』の問題であり、能力の高い歯科助手であれば資格の範囲を超えてもよいわけではありません。
これは責任の所在として有資格者が問われる行為であるためです。
仮に歯科助手が咬合調整を問題なくこなしたとしても、そうする指示を与えた歯科医院に問題があります。
歯科医師の業務内容は非常に幅広く、全てを担当することは不可能なので、様々なスタッフがサポートしなければ歯科医院は機能しません。
しかしその役割分担の範囲を超えて、治療計画に支障をきたす恐れのある『重要な行程』さえ歯科医師が行わないとなると、責任ある医療行為とは言えないはずです。
型取りや噛み合わせのチェックなども本来は歯科医師が直接行うべきです。
歯科医院によっては10人以上のスタッフの内、歯科衛生士の有資格者は1人だけという医院もあり、悪質な歯科医院では被せものを作るために歯を削る(形成の仕上げ)行為まで歯科助手に任せているという話しまで聞きます。そこまで意識の低い歯科医院は多くはないはずですが、そのような歯科医院がいくつも存在すること自体が大きな問題だと言えるでしょう。
・スタッフの名札を確認してみる
*歯科医師=Dr
*歯科衛生士=DH
*歯科技工士=DT
*歯科助手=DA
これらの問題は歯科医師の責任意識の高さが問われる問題です。
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